Issue 03

「いつも」と「もしも」を分けない、フェーズフリー防災で考える在宅避難のこと。

Issue 03

暮らしの心地に光を当てて、asuのすみかをリノベする

すまいと暮らしのjournal sumuasu
Stylesでは、この春から新しい取り組みをスタート!在宅避難キット『おうち de mamoru box』と在宅避難ガイドブック『おうち de mamoru book』を、全戸に標準配付。sumuasu編集部が企画誕生の背景とそこに込められた思いをお伝えします。

なぜ、在宅避難キットなのか

 

 

毎年3月11日が近づくと、さまざまなメディアで防災についての特集が組まれ、身近なモノやコトについても考える機会が増えています。備えなければと焦りながらも、何から手をつければいいかわからない、そんな方も多いのではないかと思います。

一昨年、2024年は、次々と災害が起きた年でもありました。8月8日の宮崎県沖日向灘地震の際には「南海トラフ地震臨時情報」が初めて気象庁から発表されたこともあり、阪急阪神不動産の社内でも改めて防災と向き合う意識が高まっていった一年でした。

これまでも新築分譲マンションの一部の物件では、防災グッズを配付する取り組みを行なっておりましたが、分譲マンション・分譲戸建・リノベーションと多岐にわたるブランドをまたいだ、統一感のある取り組みとは言えない状況でした。

そこで、暮らしに直結する総合ディベロッパーである阪急阪神不動産全体として、住まい手が求める安心に応えるために、何ができるかを見直すところからスタートしました。また、近年メディアで避難所のキャパシティオーバーについて報じられることが増えたことを受け、社内で検討を本格化させた結果、浮かび上がったのが「在宅避難」への備えでした。

 

【公式】阪急阪神不動産〈ジオフィット プラス mamoru〉もしものときの在宅避難を考えよう

※マンションの場合は2つのボックス「おうち de mamoru box-1」と「おうち de mamoru box-2」に分けてお渡ししていますが、Stylesの場合は全品目を1つのボックスに収容してお渡しいたします

“災害時は避難所に行く” とは限らない?

 

今回の取り組みで、まず知っていただきたいのが「在宅避難」という考え方です。

“災害が起きたら避難所へ。” そう思っている方は多いかもしれません。しかし、特に人口が集中する都市部では、避難所のキャパシティや食料の不足が懸念されています。自宅から避難所への道のりに、建物倒壊などの危険が潜む場合もあります。

一方で、新耐震基準を満たしたマンションは震度6強〜7程度の地震でも倒壊しないとされているほか、居住階数によっては浸水被害を避けられる場合もあります。自宅の安全が確保できるなら、無理に外へ出るよりも自宅にとどまるほうが、精神的な負担も少なく、プライバシーも守られ、避難所の混雑緩和にもつながります。

これが「在宅避難」の考え方であり、阪急阪神不動産が目指す「安心」とも重なる部分です。

いつもの心地よさを、もしもの時にも

 

キットの内容物は全11品目。

社内アンケートを実施し、「在宅避難に必要とされながら、自宅での保有率が低かったもの」を洗い出し、企画チームが中心となって選定しました。

「おうち de mamoru box 」に収容されている全11品目と在宅避難ガイドブック「おうち de mamoru book」

 

なかでもペーパー歯みがきやドライシャンプー、ウェットタオルなどの、断水時でも清潔さを保つための衛生用品に重点が置かれているのは、社内アンケートの声を反映した結果です。

カセットコンロと併せて用意しておけば「在宅避難」時でも温かい食事が食べられるように、湯煎調理に使えるポリ袋も導入しました。

防臭袋は非常用トイレとしても、普段の生ごみ処理にも使える実用品。手回し不要のポータブルラジオも、誰でも扱いやすく、災害時に直ぐに情報を取れることを優先した選択です。

「非常時だから妥協する」のではなく、「いつもの暮らしの心地よさを災害時にも持ち込む姿勢」、それが品目のひとつひとつに表れています。ボックスは半透明の蓋で中身が確認でき、日常的に目にすることで、防災の意識が自然に生まれるように促しています。

「おうち de mamoru book」が入った「おうち de mamoru box」

“「日常」と「非常時」を分けない” フェーズフリーという考え方

 

このキットが根底に置くのが、「フェーズフリー」という防災の新しい考え方です。日常と非常時を切り分けず、普段から使っているものをそのまま災害時にも役立てる。難しく考えすぎない、無理なく続けられる備えの形です。

たとえば、カセットコンロを普段の調理にも使ってみる。お気に入りのレトルト食品を少し多めに買っておき、食べた分だけ買い足していく(ローリングストック)。部屋のインテリアとしても映えるランタンを一つ置く。そんな日々の小さな積み重ねが、もしものときの安心につながります。

一緒にお届けする『おうち de mamoru book』は、NPO日本防災士機構認定防災士・釜石徹氏の監修のもと企画した、在宅避難に特化したガイドブック。安心・安全な部屋づくりのポイントや食料の備え方のほか、家族間での安否確認方法や、被災時の待ち合わせ場所を書き留めておくページも設けられています。

配付して終わりじゃない。家族と一緒に「育てていく」box & bookに

 

取材の最後に、企画に携わったメンバーがこんな言葉を残してくれました。

 

“boxの中身は家族構成や避難日数に合わせて、ご家族と一緒に見直してほしいんです、このboxはあくまできっかけに過ぎなくて、そこから家族で防災について話し合い、自分たちに必要なものを足しながら育てていってもらえたらうれしいです”

 

ただ単に物資をお渡しするだけでなく、防災を「自分ゴト」「おうちゴト」として考えるきっかけをお届けしたい。

そんな思いを『おうち de mamoru box』というネーミングの温かさにも込めて、Stylesでは、2026年3月以降にお引き渡しとなる物件から、全戸への標準配付を開始しています。

この記事をお読みいただいた皆さまにも、ぜひご家族で「もしものとき、どうする?」を話し合うきっかけにしていただけたら、と思います。

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