ARTELIER|アートリエ
アートリエは、阪急阪神ホールディングスグループの株式会社ウェルビーイング阪急阪神が運営する、アート作品の購入・レンタルサービス。 暮らしにアートを取り入れたいすべての人が気軽に楽しめるよう、作品の購入に加え、レンタルを通じて「アートのある暮らし」を体験できるサービスを提供中。
左)鳥越さん
右)鷹尾さん
「好き」が見つかるサービスを

——まずは、アートリエのサービスについて教えてください。
鳥越さん:「アートを身近に。暮らしを豊かに。」というのが私たちのブランドコンセプトです。平面絵画を中心に、現在6000点以上の作品を自社サイトに掲載していて、気に入った作品を購入したり、レンタルしたりできます。仕組みとしては、お客さまにサイト上で作品を選んでいただき、アーティストさんから直接、匿名配送でお届けするという形です。
——レンタルという選択肢があるのが面白いですね。
鷹尾さん:アート作品は、どうしても「買うもの」「所有するもの」というイメージが強いですよね。そもそも自分の部屋にどんな絵が合うのか分からない中で、いきなり購入するのはハードルが高いと感じる方も多いと思います。だからこそ、まずは借りてお部屋に飾ってみる体験から始めていただける点が、このサービスのポイントです。
——お二人はいつ頃からアートリエに関わっているんですか?
鳥越さん:私は2023年の立ち上げ当初から関わっています。鷹尾は2024年11月からです。
鷹尾さん:現在は法人案件も増えてきているため、役割を分担しながら、2人で全体を見ています。アーティストや作品の確保から、お客さまへのご提案(主に法人向け)まで、サービス全体を一緒に動かしながら、今まさに作り込んでいる段階です。
——サイトには6000点以上の作品があるとのことですが、どう選べばいいか迷ってしまいそうです。
鷹尾さん:そうなんです、最初は途方に暮れる方も多くて(笑)。そこで活用していただきたいのが、サイト上の“お気に入り機能”です。気になった作品にハートを付けていくだけ——買うとか借りるとか関係なく、ただ好きだと思ったものをタップしていくと、ある程度ハートが溜まってきたときに「あ、自分ってこういう作品が好きなんだ!」という気づきが生まれてくるんです。

鳥越さん:お取引に繋がらなくても、お客さまに何か変化があれば、それ自体が嬉しいです。「アートを身近に。」というのが私たちの根っこにある思いなので、好きを発見するきっかけになったなら十分です。
——「好きなものを探す」のではなく、「好きが見つかる」という感覚ですね。
鷹尾さん:まさにその言葉がぴったりです。選ぶというより、自分の好みを育てていく感じ、とでもいうのでしょうか。
アートに正解はある?正解はない?
——アート選びに「正解」はあると思いますか?
鳥越さん:ある条件下では正解があるけど、基本的には正解はない、というのが正直なところでしょうか。インテリアとのバランスという観点では、ある程度の最適解は出せます。でも、その作品を飾って自分が心地よいかどうかは、全く別の話です。
鷹尾さん:オフィスに飾るものと、ご自宅に飾るものではサイズも違いますしね。突き詰めていったらあるのかもしれないけれど、ご自宅で楽しむものに関しては、そこまで正解を気にしないでいいと思います。

鳥越さん:「この部屋に何を飾るのが正解か」が見つからないと飾れない、という状態になってしまうのが一番もったいないと思っています。これだ!と確信できるものが見つからない段階でも、一旦何かを飾ってみてはいかがでしょうか。飾ってみて初めて、自分にとっての正解が見え始める気がするんです。

私自身、この事業に携わるまで、アートには正解があるものだと思っていたんです。今は、正解がある文脈もあれば、正解がないシーンもあるという、この2つをアートリエのサービスづくりをきっかけに理解できるようになったことで、アートがより身近になり、楽しむことができるようになりました。
——センスに自信がない方でも大丈夫でしょうか?
鷹尾さん:そもそも、センスにこそ正解なんてないのではないかと思います。ファッションでも、TPOは大切ですが、「あなたの骨格にはこれが似合います」と言われても、着ていて自分の気分が上がらなければ、ただの衣服じゃないですか。アートも同じで、客観的な「合う」より、自分が「好き」と感じるか、心が豊かになるかどうかを大切にしていただきたいと思います。
——アートを飾るのに、おすすめの場所はありますか?
鳥越さん:自然と目に映る回数が多い場所がいいと思います。家族みんなが集まるダイニングやリビング、寝る前に過ごす寝室、あとはトイレや玄関に飾る方も多いですよ。
——目に映る回数ですか。私自身の話で恐縮ですが、去年初めて自分のお金で絵を買いました。実は、飾るのに選んだ場所は普段あまり使わない、一番閉塞感のある部屋なんです。
鳥越さん:それはどうしてですか?
——お茶を習っている方から聞いた話なのですが、閉塞的な空間である茶室では、掛け軸が窓の代わりにもなるそうです。掛け軸に描かれた風景や生き物に、その日のお茶会の世界が宿る、みたいな話が印象に残っていて、閉塞感のある部屋こそ絵が必要だなと思ったんです。
鷹尾さん:素敵です。それはもう完全に、ご自身にとっての正解を見つけたと言って良いのではないでしょうか。

鳥越さん:掛け軸はまさに、日本の住まいにおけるアートの原点みたいなものですよね。空間に意味を持たせる道具として、長い歴史の中で使われてきた。そういう意味でも、アートを暮らしに取り入れるという感覚は、実は日本人にとってそんなに縁遠いものじゃないと思えますね。
——せっかく好きな絵を手に入れたので、もっと見たいのにな…とも思っていたので、たまには目に映る場所に移動して飾ってみようと思います。
鷹尾さん:そうですね!シェルフや椅子などに立て掛けて飾れば、気軽に移動させて楽しめますよ。
日常にアートとの出会いを届けたい
——アートとの出会いの場という意味では、阪急電鉄での『ARTRAIN(アートレイン)』の取り組みも印象的でした。
鳥越さん:ありがとうございます。昨年、阪急電鉄の神戸線で『アートレイン』という企画があり、電車の外装ラッピングや車内吊りに、アートリエのアーティストさんの作品を使っていただきました。アーティストさんにとっても、自分の作品が電車という公共の場に展示される機会はなかなかないので、とても喜んでいただけました。

鷹尾さん:関東からわざわざ神戸線に乗りに来てくださった方もいたと聞いています。「いつ走っているか教えてほしい」という問い合わせも届くなど、アートが人を動かす力をあらためて感じた出来事でした。

——住まいの中だけでなく、街全体でアートに触れられる機会を作っていくことも大切にされているのですね。
鳥越さん:阪急阪神グループには「神戸六甲ミーツ・アート」をはじめ、以前からアートと暮らしを結ぶ取り組みがあります。そういう素地がある中で、私たちも一緒になって、アートを沿線の方々の日常に届けていけたら、という思いがあります。これから始まるStyles さんとの新しい取り組みも、そのひとつですね。
次回予告
後編では、アートリエのレンタルサービスが1年間付帯するStylesの物件や、アートのある暮らしについても、伺います。
アートリエのサービス詳細は[こちら(https://artelier.co.jp/)]
