Issue 10

リノベーション デザイン オブ ザ イヤー2025、受賞物件を振り返ります。

RDY2025 受賞物件レポート

Issue 10

暮らしの心地に光を当てて、asuのすみかをリノベする

すまいと暮らしのjournal sumuasu
阪急阪神不動産リノベーション デザイン オブ ザ イヤー(以下RDY)は、担当者が渾身のリノベーション物件を持ち寄り、社内外の審査員が評価する社内表彰制度。2024年にスタートしたこの制度は2025年7月で2回目を迎えました。今回はRDY事務局スタッフとして審査に加わったsumuasuメンバーの目線で、『Styles』の受賞物件を解説していきます。
RDY2025公式ページはこちら

https://8984.jp/rdy/result/2025/

2025年度「Styles」受賞物件

優秀賞|京都「都市の別荘」 104.96㎡・1LDK

優秀賞|大阪・中之島 空へ続く私邸  50階・角部屋

奨励賞|大阪 『人生を穏やかに、丁寧に愉しむ』 ZEH水準省エネ適合リノベーション

なぜ、RDYは生まれたのか

 

リノベーションの仕事は、ある意味で「個人戦」になりがちです。

特にお客さまからオーダーをいただくB to Cのリノベーションは、担当者とお客さまが二人三脚で作り上げ、完成したら当事者間の「良い家ができましたね」だけで終わることも。その過程で積み上げた知識やデザインのこだわりが、なかなか社内で共有されません。

また、『Styles』の買取再販事業でも内情は似ていて、他の担当者の物件から学ぶことのできる機会が少ないという課題を抱えていました。「付加価値の高い、デザインレベルの高いモノづくりをしていきたい」という思いはあるのに、それを共有する術がなかなかありませんでした。

 


「年に1回、社内でデザインレベルを確認して底上げする場が欲しかった。それと、担当者が自分の物件に誇りを持てる機会も作りたかったのです。」(RDY事務局スタッフ)


 

参考にしたのは、当社の分譲マンション『geo』が2016年から続けている「ジオ デザイン オブ ザ イヤー」。外部の建築家を審査員に迎え、デザイン力を継続的に磨いてきたその効果を間近で見ていたからこそ、「リノベーションでもできるはず」という確信がありました。こうして2024年、RDYは産声を上げたのです。

審査の仕組み

 

RDYの対象は、その1年間に竣工したリノベーション物件です。また、受賞作品の一部は一般社団法人リノベーション協議会の「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」にもエントリーしています。

RDYの審査は3つの層で構成されています。

まず社内審査員。2025年はsumuasu編集部メンバーからも1名、事務局スタッフとして参加していました。

次に、第二回はゲスト審査員としてRoom Clip住文化研究所 主任研究員の水上淳史氏に加わっていただきました。初年度は社内だけで審査していましたが、「より幅広い視点が欲しい」という声から審査員を迎えることになりました。

そしてカスタマー賞として、[阪急阪神すまいのメンバーズ]会員の皆さまにもWEB投票していただきました。

受賞物件を振り返る

 

2025年、『Styles』物件からの受賞は3つ。優秀賞2件と奨励賞1件です。
それぞれに「なぜそのプランにしたのか」という問いと答えがあり、さらには新たな気づきも得られた、実り多き受賞となりました。

―――――――――――――――――――――

 優秀賞|京都「都市の別荘」 104.96㎡・1LDK 

―――――――――――――――――――――

100の物件を、なぜあえて1LDKにしたのか?

この物件のプランニングが始まったとき、担当チームの頭にあったのは「京都市内のオーバーツーリズム問題」でした。

外国人観光客が急増し、ホテルを確保するだけでひと苦労。「それなら、ホテルを探す手間をなくしてしまえばいい」——海外在住の日本人が帰国時に使える拠点として、マンションを購入するという選択肢を提案しようというわけです。

コンセプトは「都市の別荘」。そこから逆算すると、100㎡超という広さは、4LDKから思い切って1LDKに振り切ることで空間の贅沢さが伝わる——との結論に達しました。

プランの軸として、ホテルの機能を徹底的に分解し、再構築しました。

ホテル機能の一つとして、ジムスペースも検討しましたが、鴨川の河川敷までのジョギングやサイクリングに適した立地を考慮した暮らしをイメージし、その分はキャリーケースをそのまま収納できるSIC兼WICなどのスペースを広めに確保することにしました。

アウトドアグッズの置き場所としてはもちろん、SICにはハンガーパイプを設置し、アウター類の水滴や花粉、汚れなどをリビングに持ち込まずに済む設計にしています。 

「ととのう」体験のためのサウナ+肩湯付き浴室+中間ベンチを設け、トレンドであるホテルライクな抜け感のある水まわりを実現しました。

また、滞在中も快適に仕事ができるように、ベッドヘッドの裏をデスクにしています。その背面にはオンラインミーティングでの映り込みも意識して飾り棚を配置するなどレイアウト設計にも一工夫を。

京都らしい風情は和室という直接的なアプローチではなく、格子建具や禅寺「源光庵」の“悟りの窓”のような丸窓で演出し、エアコンはキッチン吊戸棚の一部を格子状に加工して隠すなど、ノイズレスな納まりにも徹底してこだわっています。

ゲスト審査員の水上淳史氏からは、思わぬ視点でのコメントが届きました。


「空き家問題の根本には、ファミリー世帯向けストックの余剰と単身世帯向けストックの不足という需給ミスマッチがあります。本作品は、既存の100平米4LDKファミリー向けの物件を1LDKの質の高い単身・DINKS世帯向け住空間へと再構築することで、この問題に対する具体的な解決策を提示しています。単なるストック活用にとどまらず、単身・DINKS世帯層のニーズに応える豊かな住環境を創出するモデルケースとして、高く評価しました。」 (ゲスト審査員コメント)


 

このコメントを受け、新たな気づきを得た担当チームからは、このような声が上がりました。

 


「そういう見方もできるのか、と驚きました。コンセプトが突き抜けていたから、いろいろな問題も結果的に解決できた、ということなのかもしれません。」 (担当者コメント)


「和室を作るかは、最後まで迷ったポイントです。チーム全員で話し合って、最終的には1LDKにしてよかったです。」 (担当者コメント)


 

 

――――――――――――――――――――――――――

 優秀賞|大阪・中之島 空へ続く私邸  50階・角部屋 

――――――――――――――――――――――――――

なぜフルリノベしなかったのか?

中之島のタワーマンション、50階の角部屋。眺望は抜群、共用部もシックでスタイリッシュ。ただ、オプションで作られた和室だけが、その空間から少し浮いて見えました。

比較的築年数が新しい物件。全部壊してゼロから作れば確かに自由度は上がりますが、「まだ使えるものを壊す」ことへの疑問と向き合い、担当チームは部分リノベーションというプランを選択しました。

最大のこだわりは廊下です。既存の建具の木目に合わせたシートを玄関からLDKまで回し、間接照明で壁面を照らしてアートギャラリーのような雰囲気に仕上げました。

 


「既存の建具が珍しい木目で、色合わせが難しかった。プランナーが何度も現地に通って、検証してくれました。その思いがこの廊下を作ったと思います。」 (担当者コメント)


 

LDKは和室をとり込んで、テレビ周りに造作壁を設けてすっきり見せました。さらに今回は“ダブルリビング”という空間提案を行いました。眺望の良い窓側にソファを置き、ゲストを招いたときはそちらで過ごす——タワーマンションでの暮らしならではの使い方です。

 


「既存の良いものを活かして新築時より良くした、というのが評価の核心でした。再利用するとどうしても以前より劣化するイメージがありますが、この物件は違った。設備のポテンシャルを引き出すことで、より魅力的な空間になっていました。」 (ゲスト審査員コメント)


 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 奨励賞|大阪 『人生を穏やかに、丁寧に愉しむ』 ZEH水準省エネ適合リノベーション 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

自社が分譲した物件を、Stylesがリノベする意義は?

この物件には、ちょっと特別な背景があります。もともと当社が分譲した物件『geo』を買取り、リノベーションをして『Styles』として次のお客さまへ——という、 阪急阪神不動産ならではの「住み継ぐ」試みです。

そしてもうひとつの大きなチャレンジがZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準への適合。新築事業では全件導入が進んでいますが、一部屋単位のリノベーションで基準を満たすのは一棟単位よりずっとハードルが高いため他社でもまだ事例が少なく、『Styles』としても初めての取り組みでした。

プランニングは戸建住宅からマンションへの住み替えを希望するシニア世帯を想定して設計しました。玄関からリビングへ通り抜けられるWTC、リビング収納、カップボードに固定棚……と、収納を徹底的に充実させました。

ZEH水準省エネ住宅は住宅ローン減税の優遇対象となるため、購入者にとっては住まいの快適さだけでなく金銭的なメリットも大きくなります。

室内を現代の基準や暮らしに合わせてリノベーションを施し、新たな住まい手へお渡しすることは、デベロッパーとして意義深い取り組みであると改めて感じました。

 

「デザイン」って、なんだろう

 

2025年の最優秀賞は、単身男性が戸建をリノベーションして自宅にバーを設けた物件でした。単身男性が住まいに戸建を選択することに対し、珍しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、住宅ストックが過剰となり、単身世帯の増加が見られる中、多様な暮らし方が尊重される現代においては、それが一つの選択肢としてごく自然に評価される時代となっています。

 


「空き家・ストック住宅の問題はますます深刻化しています。でも一方で、多様なニーズがあるのにそれに応える商品がない、というミスマッチも起きている。リノベーションにはそのギャップを埋める力がある、ということを改めて感じました。」 (ゲスト審査員コメント)


 

そして2025年のアワードを通じて、意識の変化も見られた様に感じます。「デザイン」という言葉の捉え方です。

 


「初年度は「この色味がよくまとまっている」「この仕様がいい」という表層的な部分へのコメントが多かった。でも今年は、お客様とのやり取りも含めた、物件を作り上げていく過程の全体が“デザイン”なんだ——と感じました」 (審査員コメント)


 

デザインという言葉の捉え方が、名詞から動詞へと変わり、仕様の美しさだけでなく、「なぜその間取りにするのか」「誰のための空間なのか」を考え抜くこと——それ自体がデザインだ、という視点は、これからのリノベーションの在り方をますます魅力的に変えていくと信じています。

おわりに

 

RDYは今年も続いていきます。受賞物件のエントリー動画はインスタグラムでも公開予定で、カスタマー賞への投票に参加することができます。

審査期間中はぜひ特設ページをチェックして、お気に入りの物件に一票をお願いいたします。

\ RDY2026 投票スタート! /

下記リンクより投票をお願いいたします。

https://8984.jp/rdy/vote/

 

→2025年度、全受賞物件の詳細はRDY2025公式ページへ

https://8984.jp/rdy/result/2025/

 

Sales

販売中物件

  • プラウド京都東洞院

    Styles

    プラウド京都東洞院

    京都市中京区

    価格 39,800万円(税込) 面積 109.37㎡ 間取り 2LDK

  • ジオタワー天六

    Styles

    ジオタワー天六

    大阪府大阪市北区

    価格 15,800万円(税込) 面積 85.13㎡ 間取り 3LDK

  • ライオンズマンション大阪スカイタワー

    Styles Basic

    ライオンズマンション大阪スカイタワー

    大阪府大阪市西区

    価格 8,680万円(税込) 面積 71.82㎡(壁芯) 間取り 2LDK

  • グランフォート岡本

    Styles

    グランフォート岡本

    兵庫県神戸市東灘区

    価格 12,800万円(税込) 面積 100.01㎡(壁芯) 間取り 3LDK

  • 麻布台パークハウス

    Styles

    麻布台パークハウス

    東京都港区

    価格 75,800万円(税込) 面積 163.35㎡ 間取り 2LDK

  • エスリード長堀タワー

    Styles

    エスリード長堀タワー

    大阪府大阪市中央区

    価格 12,800万円(税込) 面積 92.41㎡(壁芯) 間取り 2LDK

Journal

ジャーナル